「あれを見ろよ。あの剣。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうせ戦を渡り歩いている傭兵だろ。」

 

「だが、なんだね。」

 


 

「居眠りをしている隙に、

世の中がすっかり平和になっちまってるのを知らないんじゃねえのか?」

「・・・あの男・・・。」









「・・え?」

 

 

「知っているぞ。あの男は見た事がある。

間違いない・・・・。あの男はアッシュだ。」



 

 

「アッシュだと?まさかあの『灰を撒く者』のアッシュか?」

 

「そうだ。あの男が戦いに荷担した軍は必ず負けるという。


 だが、どんなに凄絶な戦いの後でも、ただ一人、奴だけは生き残るという噂だ・・・。」

 

 


E

e p i s o d e 1 : A S H








よく来たね。まあ、そこにおかけ。」

「・・・・・。」

 


「キツネにつままれたような顔をしているね。
 ここに来るものは誰だってそうさ。」
 

 

 

 

この家にたどり着くものは皆、道を失い、道標を欲しておる。

そういう者たちに道を示し送り出すのが、この婆の役目じゃ。」

 

 

 

 

 

 

「どれ、手始めにおまえさんの過去を見てみることにしようかね。」

 

「ほお、おまえさんは、かなり腕の立つ戦士であったようじゃ。野に放たれた獣のごとく、
 おまえさんの剣は多くの人の血をすすり育っていったようじゃな。」

 

 

 

 

 

「なるほど、おまえさんの勝利の裏には、こいつがおったのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまえさんの勝利は、常に味方の犠牲の上にあった・・・違うか?」


「・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「そう恐い顔をするでない。道は必ず開かれるもの。
 そして、道は常に一つとは限らぬぞ。」

 

 

 

 

「これから、おまえさんは旅に出ることになるね。
 それも、長く辛い旅じゃ。
 だが、その旅はおまえさん一人のものではない。」

 

 

 

 


「この4枚のカードはおまえさんと行動を共にする者。
 おまえさんの運命に関わる者たちじゃ。」

 

 

 

 「見てみるかね?」

 

 

 

 

 

「天を仰ぎ見る獅子じゃな。燃え盛る火に包まれてその顔は苦渋に満ちておる。
 己の信じるものを信じられなくなった苦しみと悲しみ・・・、
それでいてなおも救いを求めている、
その矛盾が、葛藤が、獅子の心を苦しみの炎で  焦がすのじゃ。」

「野の花のように可憐で、人の心に慰めを与える者。
どんな者にも平等に恵みを与えるその者は、来るべき旅の中において、
多くの受難を  その身に受けることになるじゃろう。」

「欲に走り、己の力を過信したために、呪われた宿命を背負ったもの。
 狂気が支配するその運命は、旅の途中、そのものの心身を苦しめる。
 だが、それでもかの者はひそやかな光に生きがいを感じ、
その力によって  己を満たす。」

「最後の一人は、歌なき歌を求めて旅するひな鳥。
その声は枯れた野に花を咲かせ水面を静かに揺るがす。
風はひな鳥のためにやさしくそよぎ、
伝え守られた遺産への道を示してくれるだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

「そして、これが最後のカード。
 

 これがおまえさんの未来。
 
 これから、おまえさんを待ちうける未来。

 

 

 さあ、めくってみるがよい。」

 

 

 

 

 

 

「たかが紙切れだ。こんなものは。」

 

 

 

 

「運命から、逃れることはできはせぬよ。」

 

「忘れるでないぞアッシュ。」

 

 

「これがお前の運命。」

 

 

 

「これが」

 

 

 

 

 

 

「おまえさんの未来じゃ。」

 







 

 

平穏なる死か、血塗られた生か。
夢幻の迷宮を彷徨する魂の深淵を描く異色作。

ダイナソア〜リザレクション〜




episode 1: ASH___END