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■よっ菌

【タイトル】 ユリアとクローゼの災日?
【作者】 よっ菌

ドレス姿の髪の長い女性が二人、鏡に映って
る。
「ふふっ、ユリアさんとお揃いで作って
もらったんです。何だか姉妹みたいですね。」
と嬉しそうに笑うクローゼ。一方ユリアは何
時もと違う姿に落ち着かない。
「クローゼ、この格好だと動きづらい。どう
かいつもの軍服で護衛をさせてくれないか?」
クローゼは寂しそうな顔をした。
護衛なんて建て前で、本当は姉のように慕っ
てるユリアと楽しい時間が過ごしたいのだ。
「やっぱり、迷惑でしたか?」
今にも泣き出しそうなクローゼを見てユリア
は慌てだす・・・
事の発端は、クローゼが珍しくパーティに出
席し、ユリアが護衛を務める事となったのが
始まりである。
しかし、自分もドレスを着ての出席とはつい
先ほど知らされたが。
・・・結局クローゼの希望にそう事になり、
ユリアはドレス姿でパーティ会場へ向かった。
ただ、短めの剣を足に装備していだが・・・
パーティ会場は華やかで、沢山の人が珍しく
出席しているクローゼに挨拶をしてくる。
そしてクローゼは久しぶりの社交界に臆する
事無く振舞う。
自分には真似できないとユリアは思っていた。
こうしてしばらくすると音楽が変わり、クロ
ーゼもユリアも何人かに誘われた。
しかし、ユリアが物凄い形相で睨みつけるの
で、皆逃げていく。
そんな二人に近づく影。
「なあ、嬢ちゃん。俺と一緒に一曲どうだ?」
と、酒癖の悪い来場客だ。
「なっ・・・!貴様、分をわきまえないかっ
?!」ユリアが威嚇する。
「なんだ〜?妹がダメなら姉さんの方でもい
いんだぜぇ〜」酒臭い顔をちかづける。「こ
の・・・不埒者がっ!」
ユリアの堪忍袋の尾が切れた。
ドレスの中から剣を鞘ごと取り出し、剣を抜
き構える。「なっ、誰か!コイツを取り押さ
えろっ!!」大声で叫ぶも周りの人々はざわ
めくばかりで誰もこの乱闘騒ぎを止める気配
がない。
「行くぞっ!」
そう一声酔っ払いに向かい剣を数回なぐ。一
見するとダメージを与えていない用だが・・・
「つまらぬ物を切ってしまった。」
そう言いユリアは剣を鞘にしまう。すると酔
っ払いの服がバラバラと落ちていき・・・
会場は黄色い悲鳴と歓喜に包まれた。
ユリアはいつの間に、剣をしまっている。
そしてクローゼの手を取った。
「クローゼ、我儘だとは思うが一曲踊ってく
れ。もちろん私が男性側だがな。」
「ええ、喜んで。」
ざわめきはすぐに静まり、また音楽が流れ始
めた。
凛々しい姉と妹の踊りはあたりを魅了した。
後日、ユリアは大したおとがめもなく日々
の任務に戻った。
一方、酔っ払いの方はユリアに復讐しようと
しては、白いハヤブサに襲われる日々を過ご
したとかすごさなかったとか。

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