≪前頁 ・ 第7回展示室へ戻る ・ 次頁≫

■灰色の教皇

【タイトル】 星辰の講堂
【作者】 「灰色の教皇」著

 ヒトは終わりの時を迎えると、「水」に乗って

「外側の」空間に流される。流された先で魂は

「青い蛹」に入れられ、「上」に引き上げられる。

 

 魂には不思議な光を放つ「青白い短剣」と、

かつての自分の脊椎そのものである、「脊椎の剣」が

与えられる。

 

 「青白い短剣」で「蛹」を切り裂き、魂は旅に出る。

 

  旅人は七耀の脈に導かれ、紫色の荒野を越え、

 星空の下の講堂に辿り着く。

 「星辰の講堂」と呼ばれるその場所は、

 旅人達の最終目的地であり、あらゆる国の旅人達が

 集まってくる。

 

  生徒達は、全ての星が見えるその場所で、

 「教師」から授業を受け、

 それにしたがって互いの事を理解していく。

 

  すべてを理解し合えた時、

 最終的には名前すら意味をなさなくなり、かつての

 旅人達は「共同体」として永遠の命を得るだろう。

 

 ただし、「星辰の講堂」に入るためには

門番である「影」に打ち勝つ必要がある。

「影」には「青白い短剣」は一切効かないため、

旅人は「脊椎の剣」のみで

「影」に挑まなくてはならない。

 

 「影」を倒せなかった者は地上に投げ落とされ、

「終わりある生命」として転生する。

講堂内に入ることができた者でも、

後に「証し」を得られなかった者も同様である。

 

 「証し」なくして大いなる共同体の環に

入ることはできない。

故に我々は不完全な存在として「この世」に生を受け、

死を繰り返すことで魂の学習を重ねるのである。

・・・異端的思想が見られるため、
本書は封聖省によって禁書に指定された。


≪前頁 ・ 第7回展示室へ戻る ・ 次頁≫