・・すでに神の奇跡は薄れかけていた。

・・多くの僧侶たちは、人々に信仰を強要し、より多くの寄付を求めていた。

 

 

 

 

 

 

 

・・それは、彼が仕えていた大僧正も同じであった。

 



大柄で、中年から老年に差しかかろうという彼は、

その年齢を感じさせないほど強固な体格を、

薄いなめし革の武闘着の中にしまい込んでいた。














大僧正のもとで、僧兵としての寄付の取り立ての役についていた彼は、


自分の信じる神のために、


どんなに貧しい者からも寄付の取立ての手を緩めることはなかった。

だが、そんなある日。
彼の一人娘のアーシアンが熱病に侵された。












彼は、自分の信じる神に祈り、その奇跡を待ち続けた。
「神よ!どこにおられるのです。私には神の姿が見えません!」
 











 
やがて

 

幼いアーシアンの葬儀を済ませた彼は、大僧正のもとを離れ、一人、旅に出た。


今まで自分のしてきた罪を償うために、

 

 

そして今一度、

失いかけた神の奇跡を自分の手に取り戻すために・・・・。

 

 

平穏なる死か、血塗られた生か。
夢幻の迷宮を彷徨する魂の深淵を描く異色作。

ダイナソア〜リザレクション〜




episode 2 : ORLIC___END