遙かなる都ペンタウァ。
五つの城門に護られ、太陽と月の双塔を戴く街。
峻厳なるヴェスター山脈の懐に抱かれ、深い緑に囲まれたこの都市国家は大陸における文明圏の最西端に位置している。
人口も多くなければ、とりたてて目立った産業があるわけでもない。
しかし、このささやかな小国は、
古より大陸全土にその名を響き渡らせていた。

──それは、難攻不落の軍事国家として。
民のペンタウァ王家への信望はあつく、
危機に際してその愛国心は発揮されてきた。
歴史がそれを証明している。魔物の侵入を幾度となく食い止めてきた実力は近隣諸国から畏敬と羨望の眼差しで見られていた。
──あるいは、神秘の魔法王国として。
火星・水星・木星・月・太陽・金星・土星‥‥。
惑星神を崇めるペンタウァでは、
星を掛け合わせる洗練された魔法体系が古来より確立されている。
世界中の魔術師が、深遠なる秘法を求めてこの地を訪れるのだ。

──そして、大いなる夢の通い路、冒険者の集う街として。
 悠久の時を経て、なお残り続ける古代遺跡。
 亜人たちが息づく深く広大な樹海。
 底無し沼の広がる、じめじめとした湖沼地帯。
 陽炎ゆらめく、黄金の大砂漠。
 真珠貝のかけらが敷き詰められた白亜の海岸。
 有翼人の住まう、幽玄なる峡谷。
 深淵の竜とその眷族が潜む、蒼き大洞窟。

──ヴェスター山脈から吹き抜ける風は、神の息吹。
地上を去った神々の息づかいが、ここでは未だに感じられる。
その馨しき風の匂いに誘われ、惹き付けられるようにして
多くの旅人がこの地を訪れてきた。
自らを鍛える者、栄光を掴もうとする者、古代文明の謎を追う者‥‥。
ペンタウァは、冒険に夢を馳せる者たちの、魂の故郷なのだ。
そしてペンタウァの民は、その押さえ切れぬ情熱に、神々の意志を見いだす。
戦いに疲れた彼らを暖かく迎え、敬意を表してこう呼ぶのだ。

七惑星に導かれし者、ソーサリアンと。