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■悠莉

【タイトル】 束の間の平穏
【作者】 悠莉

 ある日のすべての要請が終わった後の事だった。休憩
として4人は集まってエリィが用意してくれた紅茶を飲
んで寛いでいた時に、急にランディが話を振ってきた。
「なあ、ロイドは唯一警察学校を出ているだろ?在学中
はどんな感じだったんだ?」
「そういえば、ちょっと気になりますね。」
そんな感じで3人はロイドに目を向けた。ロイドはし困
った感じに
「別にこれといって言う事は無いと思うんだけど・・・。
普通に警察官として必要な事を習っただけだよ。洞察力
や武術とかね。他のみんなは、どんな事をやってたんだ
?」
ランディ達は、少し考え込んだ。みなそれぞれ言いにくい
過去があるからだ。けれど、エリィが最初に口を開いた。
「私は、海外に留学してたって言ったでしょう?そこで
色々な事を学んできたわ。後はそうねぇ、射撃の練習は
欠かさずやっていたわね。」
そう言うと少し冷めてしまった紅茶を飲んだ。ティオは、
ロイドやエリィの話を聞きながらエリィ作のクッキーを
食べていたがその手を止めてしまった。
「私はこないだ言った通りです。他にいう事はありませ
ん。」
そう言いまたクッキーを食べだしてしまった。こないだ
と言うのは、聖ウルスラ医科大学で事件があった時に知
ってしまったのだ。その事を思い出したのか、少し回り
の空気が重くなる。その空気を消すかのように、ランデ
ィが読んでいた雑誌を置いて話始めた。
「俺も前に言った通りだぜ。ティオすけみたいに重くな
いぜ?今ではもう吹っ切れているからな。」
そう苦笑いするとまた雑誌に目を通し始めた。本人はこ
う言っているが、周りからみるとまだ吹っ切れていない
ようにみえた。でもこの事に関しては何も言えなかった。
自分の気持ちの問題だからだ。少し空気が沈んでしまっ
たが、
「みんなそれぞれ過去の事は言いにくいわよね・・・。
でもちゃんと整理がついたらまた話ましょうか。仲間だ
もんね。・・・紅茶冷めてしまったから入れ直すわね。」
そしてエリィは、ティーポットを持って行ってしまった。
残された彼らは一言も話さなかった。少ししてエリィが
紅茶と追加のお菓子を持ってきてくれた。そして、ロイ
ドが沈黙を破った。
「まあ、みんな色々な物を抱えているけどこれからも4
人で頑張っていこう。このメンバーなら、何でもできる
気がするし。それにみんなといるのは、楽しいからさ。」
それを聞いた3人は顔を見合わせ、その後にロイドを見
てそして笑った。そして口々にこう言うのだ。
「たくっ、しかたねーぜ。あと、よく普通にそんな事言
えるな。普通躊躇うと思うんだがな。」
「全くです。でも、ロイドさんらしいですね。」
「ふふ。じゃあ、これからもよろしくね。色々をお世話
になろと思うけど。」

そして、空気は和やかになった。けれどその空気を切り
裂くかのように電話がなる。その電話は4人を警察署に
呼ぶものだった。束の間の休息は終わり、新たな事件へ
と巻き込まれていった・・。

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