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■阿綱

【タイトル】 ヨシュア戦記外伝 「白い熊のマドリガル 後編」
【作者】 阿綱

-かなりいい加減なあらすじ-

一匹の熊を巡り(正確には避け)二人の男は仲良く
殺しあうのであった。

-本編-

ユリウス(エステル)
「我が友よ、こうなれば是非もない。
抜け!互いの背負うものの為に!
そしてなによりも、い‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

ユリウス(エステル)は白い熊のセシリア姫(ジン)を
一瞥し、言葉につまった。

ユリウス(エステル)
「‥い、いと‥‥‥ハア、ハア‥ゼェ、ゼェ」

オスカー(クローゼ)
(大丈夫ですよ、エステルさん、
あれだけ練習したんですから)

ユリウス(エステル)
(だめだ、理性が!本能が!全身の細胞が!
それらを超越した宇宙クラスの何かが!
アレに愛を語る事を拒絶している!)

ユリウス(エステル)
「くぅ‥く、く、く‥い‥い‥」

エステルの目には涙が浮かんでいた。
しかし、誰も彼女を助ける事などできなかった。
エステルは意を決し、そして叫んだ。

ユリウス(エステル)
「愛しき姫の為に!」

エステルはこの台詞を言い切って‥果てるっ‥!
言い切った後は、しばらく動けず‥
回復アイテムを大量投入し、やっと意識を回復した。
それほど消耗してしまったが‥
ともかく、エステルはやりおおしたっ!
人々は‥その姿に‥感動した。

オスカー(クローゼ)
「運命とは、自らの手で切り拓くもの、
背負うべき立場はともかく、姫の微笑みは
今も遠くでありたい‥」

ユリウス(エステル)
「臆したか、オスカー!」

オスカー(クローゼ)
「だが、この身を駆け抜ける狂おしいまでの熱情は
何だ?自分もまた、本気になった君を完膚なきまでに
叩きのめし、ボロボロのヘロヘロのクソクソにして
我が足元にひれ伏したくして仕方ないらしい」

この二人、実は仲が悪いんじゃないか‥
と観客の誰もがそう思った。

オスカー(クローゼ)
「姫という名の猛き悪魔が全てを呑み込むその前に‥
剣をもって運命を決するべし!」

ユリウス(エステル)
「いざ尋常に勝負!」

オスカー(クローゼ)
「‥くっ」

ユリウス(エステル)
「オスカー、お前‥腕に怪我をしているのか?!
今だ我々の剣は互いを傷付けていない筈、
まさか決闘の前に自分で傷付けたのか?
負けやすいように!卑怯だぞ、オスカー!」

オスカー(クローゼ)
「ふふふ‥‥、言いがかりは止めてもらおうか。
それより、次の一撃で最後にしよう。
自分は君を殺すつもりで行く。」

ユリウス(エステル)
「分かった、私も次の一撃に全てを賭ける。
更なる生と、王国の未来はともかく‥姫の笑顔‥
生き残ってしまった方が全ての責を背負うのだ」

オスカー(クローゼ)
「そして敗れたものは開放される‥」

開放されるのはこの俺だ!
二人は同じ事を願っていた。
そして、二人の最後の一撃が放たれた!

■阿綱

【タイトル】 ヨシュア戦記外伝 「白い熊のマドリガル 完結編」
【作者】 阿綱

ユリウス(エステル)&オスカー(クローゼ)
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

白い熊のセシリア姫(ジン)
「駄目」

二人が止めの一撃を放つ瞬間、熊が二人の間に
割って入った。
その瞬間、二人の剣は明らかに加速した。
二人の渾身の一撃が姫の急所に直撃した。

白い熊のセシリア姫(ジン)
「あなた達の決闘なんて見たくありませんでしたが‥
どうしても心配で戦うのを止めてほしくて、
ああ、間に合ってよかった」

ユリウス(エステル)
(くそ、まだ息があるのか)

白い熊のセシリア姫(ジン)
「私に免じてどうか争いは止めて下さい。
皆リーベルを愛している仲間ではありませんか、
ただ少しばかり愛し方が違っただけの事です。
鉄拳制裁で必ず分かりあえるはずデス。
ああ、目がかすんで‥
ねえ、二人ともそばに‥いますか?」

ユリウス(エステル)&オスカー(クローゼ)
「はい、君のそばにいる」

そういいつつも二人とも半径5m以上離れた場所に
退避していた。

白い熊のセシリア姫(ジン)
「私、二人の笑顔が大好き、だからどうか‥
いつも笑っていて」

ユリウス(エステル)
(死ぬ‥もうすぐ死ぬのだな‥ふふふ、
笑いを堪えるのがこんなに大変とは思わなかったよ)

頼まれなくてもすぐにも笑いそうないけないユリウス
(エステル)君であった。

白い熊のセシリア姫(ジン)
「ガク」

ユリウス(エステル)
「姫‥?!‥死んだか?‥死んだのだな」

オスカー(クローゼ)
「よっっしゃぁぁぁぁ!」
ガッツポーズをとってしまういけないオスカー
(クローゼ)君であった。

ユリウス(エステル)
「エイドス大いなる空の女神よ、お喜び申し上げます」

その時、女神が降臨した!

女神の声
「あなた達の勝負、私も見せてもらいました。
中々の勇壮さで実に面白かった。もう一度見てみたい」

ユリウス(エステル)
「へ?」

白い熊のセシリア姫(ジン)
「あら、ここは‥」

その時、熊が復活した!

ユリウス(エステル)&オスカー(クローゼ)
「!!!」

オスカー(クローゼ)
「嘘でしょ姫‥頼むから『死んだ』と言ってくれぇ!」

白い熊のセシリア姫(ジン)
「ふー元気バリバリだぜ、今ならマシンガンで蜂の巣に
されても生きていけるような気がする」

ラドー公爵
「二人は渾身の一撃で姫の命をお止めになったのに‥」

クロード議長
「人はいつも手遅れになってから、作戦の不備に気づく
もの。エイドスよ、お恨み申し上げますぞ」

こうして「白き花のマドリガル」は幕を閉じた。
「ジェニス学園祭の悪夢」として恐れられたこの劇は、
学園の手により黒歴史(なかった事)とされた。

だが、人々の心に決して消える事のない大きな恐怖と
傷痕を残した。

‥‥‥忘れる事のできない物語がある‥‥‥。


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