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■pahu

【タイトル】 天才少女の仲間たち
【作者】 pahu

-工房都市ツァイス- 某日

「レンちゃーん!」

「きゃ! ティータ抱きつかないで!
もう、ティータのほうがおねえちゃん
のはずなのに・・・」

ロイド達に別れを告げ、リベールへと戻った
エステル達はレンの親友ともいえる少女に
会うためにツアイスへ来ていた。

「ほらレン、そんなこと言わないの。
飛行船の中じゃあんなに嬉しそうにティータ
のことばっかり話してたのに。」

「エステル!ウソばっかり言わないで!
べ、別に嬉しくなんかないもん!」

強がって見せても、普段以上に赤くなった頬が
少女の心境を雄弁に語っていて、エステルと
ティータは顔を見合わせて笑った。

「こんにちは。アガットさんも来ていたんですね。」

「ようヨシュア。チビスケにレンちゃんが遊びに
来るからってせがまれてな・・・」

そう言いつつため息をつくアガットだが、表情は
明るい。
やっぱりティータのことが心配なんだなとヨシュア
は思ったが、口には出さない。

「ねえアガット、ティータもかわいいけど、
レンもかわいいでしょ?」

エステルが両手でレンとティータを抱きしめ
ながら話しかけた。
するとレンは待ってましたともいいそうな笑顔で

「だめよエステル。あのお兄さんはティータ以外に
興味ないんだから。ティータもこんなに愛されて
幸せよね?」

と口をはさんだ。

「あぅ。レンちゃんってば・・・」

「おいテメェそれはどういう意味だ。」
アガットは顔を引きつらせつつも
睨みをきかせる。

「もちろん。ロリコンのお兄さんはティータ
が愛しくてしょうがないという意味よ。」

「ちょっとアガット、二人ともかわいいのは
わかるけど、うちのレンにも手を出したら
しょうちしないわよ?

良くも悪くもノリがいいのがこのエステル
という少女。

「俺はべつにロリコンじゃねぇ!
お前ら叩き潰すぞ!」

「大丈夫だよエステル。アガットさんは
ティータだから好きなんだよ。」

「おいヨシュア。お前はフォローしたいのか
俺に喧嘩売ってるのかどっちだ?
だいたい俺はティータのことを愛してる
なんてことは無い!」

「えぇ!そうだったんですか・・・」

ティータの顔が急速に落ち込んでいく。

「お、おい、まてティータ。別に俺はお前が
嫌いだなんていってないぞ!
なんで泣きそうなんだよ!」

「お兄さん最低ね。」

「アガット!ティータ泣かしたら許さないわよ!」

「話をややこしくしたのはお前たちだろ!
おいヨシュア、そんなところで笑ってないで
さっさとエステル達を止めろよ!」

「はい、わかりました。」

ヨシュアは自分が組織に誘い込んだあの少女が
これほどに楽しそうに友達と話をしている姿を
嬉しく思い、相棒兼恋人の少女に感謝しつつ
苦笑を浮かべながら2人を止めに行った。


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