英雄伝説 閃の軌跡IV - THE END OF SAGA -

SEN NO KISEKI ダイジェスト 閃の軌跡II

警告 WARNING

このコンテンツには「英雄伝説 閃の軌跡II」に関する重大なネタバレが含まれています。

後日譚「冬の終わり」

リィンはクロスベルでの任務を終え、急ぎトリスタへ帰還した。

トリスタ駅のホームで到着を待っていたクレアと言葉を交わすリィン。

彼女が《鉄血の子供達》である故に、冷たい態度をとってしまう。

リィンは自身の行動に後悔しつつも、駅を後にした。

駅前に広がる景色を見渡し、リィンは感慨にふける。

長い苦労を経て、トリスタを奪還した時の高揚感は今でも覚えているが、

あの時とは裏腹に、今のトリスタをどこか寒々しく感じていた。

程なくして《VII組》の仲間達が出迎えに駆けつけてくれた。

リィンは制服を身に纏った仲間達とトールズ士官学院へと戻る。

授業や試験に一喜一憂をしながら《VII組》最後の学生生活を満喫する。

そんな日々の中で、ふとした時にクロウの事を思い出してはこみ上げる感情を抑えるリィン。

ジョルジュとアンゼリカは、卒業後はそれぞれ外国を巡って帝国の改善を模索したいと語った。

戦争に協力した事を悔やむリィンに対し、クロスベルの住人を守るには必要だったと、理解を示すジョルジュ達。

生徒会室では、疲れた様子のトワが眠っていた。

何気なく寝顔を眺めていると、クロウ達の名を呟くのを耳にしてしまう。

物音で目を覚ましたトワは、顔色が悪い様子のリィンに何かを察した。

無理をして立ち続ける必要はない。疲れたり気が抜けたなら、我慢をしないで座っていい。

トワのその言葉に、クロウを亡くした無念を初めて吐き出すのだった。

下校時間。ライノの花を眺めながら、リィン達は入学当初を思い起こしていた。

《VII組》の始まりを語り合い、残り僅かな時間を精一杯笑って過ごす。


そして最後の自由行動日。旧校舎から異様な気配を察したリィンは、1人で様子を見に行った。

そこへ、トリスタにやって来ていたトヴァル、エリゼ、アルフィンと合流する。

アルフィンに同伴していたクレアとも再会。互いに後悔を残していた2人は、謝罪を交わして打ち解けるのだった。

和やかな雰囲気に包まれた頃。突如旧校舎から鐘の音が鳴り響きただならぬ様子で発光し始める。

何事かと他の仲間達も駆けつけるが、誰もこの異変に見当がつかない。

ヴァリマールに聞いてみると、以前発生した“試練”とは別の“試練”が発生している、と告げる。

詳細は不明ながらも、この状況を捨て置けないリィン達は異空間へと変貌した旧校舎に乗りこんだ。

長い回廊を抜けた先で待ち受けていたのは《巨イナル白キ影》。

《煌魔城》の暴走がきっかけで出現した“裏の試し”であった。騎神や協力者の力を結集し挑むリィン達。

見事試しに打ち勝つと、《白キ影》は花弁を散らすように消えていった。

勝利を喜びつつも、一同は本当の最後を実感した。

ミリアムが、思わず涙をこぼす。そんな彼女をアリサが抱きしめ、他の者もつられて嗚咽を漏らし始める。

《VII組》の面々は、我慢していた離別の寂しさを吐露した。

そして迎えた──今年度最終日。

1年間で卒業する選択をした仲間達と、再会の約束を交わして別れを告げる。

《VII組》は笑顔の内に門出を迎え──それぞれの道に向かって前に歩き出した。

列車のベルが鳴り終わるまで、リィンはそこに立っていた。

この先、困難な道は続いていくだろう。自分も、恐らく仲間達も。

それでも──交わした約束を果たす為に。

リィンは一歩、前へ踏み出した。